飾る予定の作品は、なかった。でも「自室の壁は、強くしておいてください」とお願いしていた。いつか作品を飾りたくて。
引っ越してから約3年が経ち、気づけば友人や知人の作品が少しずつ増えていった。いまではわたしにとってこの壁は、神棚のような場所だ。朝、この壁を見て一礼している。だれも見ていないけど。

文章や絵、立体作品、写真。作品は、作家さんの手を離れ、時間が経ち、暮らしの一部になる。一日のはじまりに、静かに力をくれる。この壁は、わたしだけの聖地でもある。
好きな人の作品を、自分がいちばん落ち着ける場所に飾るのは、祈りに近い行為かもしれない。と同時に、少し秘密めいた行為。作品を手にした瞬間の記憶も、感動した色や素材の感触も、わたしだけのものだ。誰も入ってこられない、1対1の関係がある。
家が落ち着かなかった頃は、外へ出かける方が好きだった。あの頃には考えられないくらい、今は「早く帰りたい」と思う。

私にとっては、この壁が、そういう帰りたくなる場所としての空気をつくってくれている。自室の壁は、いつも自由で完成することはない。これから先も、誰かの作品と出会うたび、その変化ごと、この家で暮らしていけたら。
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鈴木 栄弥 / Suzuki Emi
2級建築士、カラーコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、ファイナンシャルプランナー
静岡県富士市出身、1990.7.27生まれ。
日本女子大学 家政学部 住居学科 卒業。…
小学生の頃から間取りやミニチュアが好きで、建築模型がつくりたい! と、建築士になることが夢に。
ビルや建物ではなく、人が住む家のことを中心に学びたいと思い、住居学科で学び、
「人が楽しく暮らす住まいをつくりたい」という思いで就職しました。
現在は、エントリエで設計営業 兼 マガジン編集長として所属。気軽に「エイミー」と呼んでください!
わたしの手掛けるお家は、どれも決まったテイストはありません。
住まい手の体温を感じられるテイストに仕上げることが得意です!
●全国ジェルコデザインリフォームコンテスト
2024年 玄関・ホール部門 全国最優秀賞 受賞
2023年 リビングダイニング部門 全国最優秀賞 受賞
2020年 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会会⾧賞 受賞
2020年 個室部門 全国優秀賞 受賞
2019年 リビングダイニング部門 全国優秀賞 受賞
●ジェルコ関東甲信越支部リフォームコンテスト
2022年 デザイン部門 キッチン賞 受賞
2021年 デザイン部門 優秀賞 受賞
2020年 デザイン部門 優秀賞 受賞
●RoomClip全国理想の住まいコンテスト
2022年 1000万円以上部門 全国最優秀賞 受賞
2021年 500万円以下部門 特別賞 受賞
2020年 500万円以下部門 全国優秀賞 受賞


