古くなった住まいを新しくする <Re>だけでなく、住まいを通して、ご家族の「こうありたい <Be>」という願いまで実現したい……そんなエントリエのコンセプトに共感してくれた、ファッションデザイナーKODAI YASUNOさんによる連載。愛着のある洋服を染色することで、新たな命を吹き込み、クローゼットの中に眠っていた相棒を再びあなたのお気に入りの一着に。そんな一人ひとりの物語を紹介していただきます。

KODAI YASUNOとは
安野 広大(やすの・こうだい)さんが立ち上げた染色とシルバーアクセサリーのオーダーを受けるアパレルブランド。専門学校でデザインとファッションビジネスを学んだ後、WEBマーケティング会社での勤務を経て、アパレルショップ店長へ転身。2019年より自身のブランドをスタート。

#09 染色元の服の選定から、染色までのフルオーダー

今回のお客さまはユニクロなど、シンプルスタイルのファッションが多い方。派手なデザインやカラー、個性的な服には挑戦したことがなく、無難で合わせやすいものを購入してきたそうです。

ただ経済的にも余裕が出てきて「自分に合う個性的な服に挑戦してみたい」とのことでご相談をいただきました。普段、こちらの連載ではお客さまから「変えてほしい」と持ち込まれる服の染め替えを紹介するケースが多いですが、染色元となる服の選定から染色まで、すべてを承る完全オーダーも少なくありません。

今回は「個性は出したいものの、大人の落ち着きは残したい」とのご要望を受け、夏用のアロハシャツを完全オーダーでリメイクしていきます。

“生地感と染色の質感で、個性と大人らしさを表現”

アロハシャツは一歩間違えると派手になりすぎてしまう恐れがあります。個性が強く出れば、それだけ「これは好き」「これは嫌い」など、好みに左右される恐れがありました。

そこでお客さまの要望である「個性」と「大人の落ち着き」を意識し、染色元となるシャツはシンプルかつ、良質な素材感のものを選ぶことにしました。

そのうえでお客さまの雰囲気である「あたたかみ」と、ご要望にそった「大人らしさ」を両立させる緑色の染料を使い、ろうけつ染めにて染色をおこないました。

さらに個性を出すため、元のシャツの色合いを残しつつ、緑色の染料がアロハシャツの柄にそって入るよう繊細かつ丁寧にロウを塗り重ねます。

こうして、世界にひとつだけのアロハシャツが完成しました。

“シンプル”から個性的”への第一歩

▷お客さまの声「今までシンプルな服ばかりだったので、最初は個性的な服へのためらいがありましたが、オーダーをしてもっと服が好きになりました! 繊細なデザインに感動!」

服に興味を持ち、おしゃれになるための第一歩は“勇気を出す”ことだと思います。今までに着たことがない服やテイストに挑戦するとき、当然不安や迷いが生じます。

「似合わなかったらどうしよう」

「周りの目が気になる」

「買ったは良いものの、合わせ方が分からず、結局着なくなってしまうのではないか」

そんな理由で、今のスタイルにとどまってしまう方も多いかもしれません。

さまざまなスタイルに挑戦したうえで、自分にいちばん合うスタイルを見つけ、ひとつのスタイルを深掘りしていくことは素晴らしいことです。 だから新しいスタイル・新しい自分への一歩を踏み出せないことは、とてももったいないことだと思います。

美味しい料理が目の前にあるのに「見たことがないから」と食わず嫌いをして、美味しいごはんにありつくチャンスを逃すようなものです。 「お洒落になりたい!」「一歩を踏み出す勇気が出ない」「自分に合うスタイルを見つけたい」という方はぜひご相談ください。

● KODAI YASUNO

【Online shop】https://shop.kodaiyasuno.com/
【Instagram】https://www.instagram.com/kodaiyasuno_official/