結婚してからしばらくのあいだ、洗濯は私の担当だった。
モットーは、「楽しく、効率よく」。乾けば同じだと思っている。干す順番は決めない。タオルの隣に靴下が下がるし、ハンガーに衣類を投げてみて、引っかかれば合格!
でも、夫は違った。丈の長いものから短いものへ並べ、ハンガーの向きを揃える。乾いたあとの見た目を計算して干していて、できあがりを「作品」と呼んでいた。
私が干した後、夫はだいたいイライラした様子で、だまって干し直していた。それが日に日に増し、やがて私は洗濯係から干された。
キーッとなった。洗濯物を干すのは好きでもないので我ながらおかしいのだけれど、誰かに頼まれたわけでもないこの家事を自分の仕事だと思っていたらしい。夫に「では、ご自分でお願いします」と言えなかった時期が長かったのも、家事は私が引き受けるものだと思いこんでいたからだろう。
リノベーションの打ち合わせでは、洗濯問題は(たしか)わりと大きく扱われ、建築士のエイミーさんにも洗濯の話をたくさんしたと思う。誰が干すのか。どこで干すのか。乾いたあと、服はどこへ運ばれるのか。
少し言い合いになっている私たちを前に、いつも冷静な建築士のエイミーさんが提案してくれた図面では、ランドリールームは二階の中央にあった。夫の部屋の隣。廊下を挟んで、子ども部屋が二つ。

二階の心臓だ…!と思った。まあ、ちょっとそれは言い過ぎかもしれないけど、家族の服が集まって、乾いて、また散っていく場所ができると思うと、なんだかワクワクした。そんなわけで、暮らしはじめてから朝の衝突はなくなった。
さらにリノベーション後の翌年、我が家の洗濯機は縦型からドラム式に変わった。なんと、会社へ行く前に洗濯物を干す夫を不憫に思った父が贈ってくれたのだ。

「朝の時間がかわるな。」
父が何気なくそう言ってくれて、うれしかった。たしかに朝は変わった。洗濯物を干すという大きな家事が一つ消えて、朝の夫は格段に機嫌が良く見える。
家が居心地のいい場所になったののには、ランドリールームの存在が大きいと思う。私は滅多に近づかないけれど。
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鈴木 栄弥 / Suzuki Emi
2級建築士、カラーコーディネーター、福祉住環境コーディネーター、ファイナンシャルプランナー
静岡県富士市出身、1990.7.27生まれ。
日本女子大学 家政学部 住居学科 卒業。…
小学生の頃から間取りやミニチュアが好きで、建築模型がつくりたい! と、建築士になることが夢に。
ビルや建物ではなく、人が住む家のことを中心に学びたいと思い、住居学科で学び、
「人が楽しく暮らす住まいをつくりたい」という思いで就職しました。
現在は、エントリエで設計営業 兼 マガジン編集長として所属。気軽に「エイミー」と呼んでください!
わたしの手掛けるお家は、どれも決まったテイストはありません。
住まい手の体温を感じられるテイストに仕上げることが得意です!
●全国ジェルコデザインリフォームコンテスト
2024年 玄関・ホール部門 全国最優秀賞 受賞
2023年 リビングダイニング部門 全国最優秀賞 受賞
2020年 一般社団法人住宅リフォーム推進協議会会⾧賞 受賞
2020年 個室部門 全国優秀賞 受賞
2019年 リビングダイニング部門 全国優秀賞 受賞
●ジェルコ関東甲信越支部リフォームコンテスト
2022年 デザイン部門 キッチン賞 受賞
2021年 デザイン部門 優秀賞 受賞
2020年 デザイン部門 優秀賞 受賞
●RoomClip全国理想の住まいコンテスト
2022年 1000万円以上部門 全国最優秀賞 受賞
2021年 500万円以下部門 特別賞 受賞
2020年 500万円以下部門 全国優秀賞 受賞


