ひとの手で、丁寧に、ひとつずつつくられていくものたち。工場で大量に製造されたモノにはない独特のオーラやぬくもりが、私たちの暮らしに彩りや安らぎを与えてくれます。
エントリエでは、
こだわりをもった手仕事作家さんに注目。ものづくりや作品への想いをお訊きします。

廃棄寸前の素材をバッグとして再生 / SYMPOSION(シュンポシオン)・佐野正子 – 愛しいものたち

倉庫に眠った素材に新たな命を吹き込む

工場や問屋の倉庫の奥に眠っている廃棄寸前の素材の中から「これは!」と思える生地や革を集め、国内の職人さんにバッグやポーチとして仕立てていただいています。

工場や問屋に一つ一つ頼み込んで買い付けているので、どれも通常ルートではなかなか流通しないお宝級の素材。職人さんには、「何本つくるか」ではなく「何本つくれるか」を最小ロットとして依頼し、国内生産にて縫製をしていただいています。

もともとグラフィックデザイナーとして働き始めたのち、バッグブランドの会社に転職。国内外の複数ブランドのバッグデザイナーとして24年ほど勤務した後、2021年に自身のブランド「SYMPOSION(シュンポシオン)」を立ち上げました。

ばらばらのパーツを丁寧に組み合わせ、新たな命を吹き込み、廃棄のループから離脱させる。それがSYMPOSIONの商品コンセプトです。

ブランドの立ち上げにあたり思い出したのが、長く企業内デザイナーをしている間にずっと抱えていた、大量の素材廃棄の現状に対する違和感でした。大企業ではなかなか踏み出しにくいコンセプトでしたが、ミニマムユニットの今だからこそなしえるのではないかと決意しました。

ただのモノではなく心を動かすツールをつくる

バッグに限らず、商品というものはまず「素敵」でなければならないとおもっています。根底にどんなコンセプトがあろうとも、ただ「廃棄素材を使いました」ではなく、商品自体にオーラがなければ意味がない。
そのため、素材選びは、まるで瓦礫の山から宝物を探し出すように、慎重に選んでいます。

実際に問屋さんや機屋さんに行ってみないと、どういう素材があるかわからない場合もあるので、わざわざ何時間も電車を乗り継いで行ったものの、思ったような素材に巡り会えなかった、というようなことはままあります。
大変ではありますが、ワクワクする作業でもあります。

私が提供しているものは、バッグや革小物といった「モノ」ですが、ただのモノではなく心を動かす「ツール」であってほしい。その日そのバッグを持つとき、ちょっと嬉しい気持ちになってほしい。

そのためには、まずつくり手である自分自身がワクワクしなければならないと、常日頃考えています。その高揚感は、少なからず買い手となる方々にも伝わっていくものだと確信しています。

購入した先にもサステナブルな使いみちを

制作活動を通して楽しさを覚えるのは、購入してくれる方の笑顔。嬉しそうに手に取ってくれる姿を見ると、やっててよかったなあ、と実感します。

少ないロットでも快く仕事を引き受けてくれた職人さん。「協力するよ」と言ってくれる長年のお付き合いの素材メーカーさん。そしてブランドを応援してくれる方々との新たな出逢い。ひとりひとりに感謝しています。

これからも嬉しい輪がどんどん広がっていくといいな、と思います。

いま、新商品の開発に取り組んでいます。オーガニックコットンを使用した、ユニセックスで持てるシンプルな生成り帆布のバッグです。ただ、生成り色ってどうしても汚れが気になりますよね。

そこで、京都で100年に渡って黒紋付を染めているメーカーさんと提携し、生成り色のバッグとして楽しんだ後、廃棄せずに真っ黒に染め直してまた使える、というオプションを付けようと考えています。

「SDGs」という言葉が浸透してきている昨今ですが、購入して消費するという流れにも様々なものがあると気づいて貰えると嬉しいですね。

SYMPOSION(シュンポシオン)・佐野正子

【HP・通販】https://symposion.stores.jp/
【Instagram】https://www.instagram.com/symposionhayama/

 

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